【高齢者受難の2022年-①】 2022年の日本人高齢者(65歳以上)人口は、わずかながら減少したようだ。 外国人をふくむ総人口も、減少したかもしれない。 そんな状況での、新型コロナ感染症の「5類」移行は、この状況を継続させてしまう危険性はないか。
【高齢者受難の2022年】
2022年の日本人高齢者(65歳以上)人口は、わずかながら減少したようだ。
外国人をふくむ総人口も、減少したかもしれない。
統計(概算値)を、暦年(12月末時点)でみると、そう読みとれる。
もちろん、これは、新型コロナウイルス感染症の、2022年の全国での蔓延がもたらしたものだ。
この状況は、直近の人口推計結果(概算値:3月1日現在)を見ても、つづいている。
そんな状況での、新型コロナ感染症の「5類」移行は、この状況を継続させてしまう危険性はないか。
*あす29日までに、3回、連載する予定です。
つづいて、この大阪(府・市)編を、レポートしたいと思っております。
*全国の高齢者人口の直近の年間増減を、見ます。
4月13日朝刊に、2022年10月1日現在の人口推計がのりました。
目にした朝日・毎日は、どちらも1面の左側でした。
記事は、つぎのようなものでした。
○人口は12年連続で減少。日本人は75万人減少で、1950年代以降で最大の落込み。
○15歳未満の人口、15~64歳の生産年齢人口は、それぞれ11.6%、59.4%。
どちらも過去最低の割合だった。
○65歳以上の高齢者人口は、29.0%で、過去最高だった。
https://www.asahi.com/articles/ASR4D4WV0R4DULFA013.html?iref=comtop_BreakingNews_list(朝日新聞)
このうち、わたしが注目したのが、最後の高齢者の人口です。
総務省統計局が公表している「結果の概要」によりますと、前年比2万2000人の増加でした。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2022np/index.html
では、昨年2021年は、前年比でどうだったか。1年前(2021年10月1日時点)の総務省統計局の「結果の概要」をみると、前年比18万8000人の増加でした。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2021np/index.html
2021年10月時点と、2022年10月時点での年間の人口増減をくらべると、高齢者人口の増加数が、顕著に少なくなっていることがわかりますね。
あとひと息で、減少に転じかねないくらいに、高齢者人口の増加数がへりました。
これは、将来人口推計では、予測されていたことなんでしょうか?
○将来人口推計では、どうなっていたか。
日本の将来推計人口の直近のものは、2017年推計です。
(注:このレポートを数日前に書いた直後の4月26日に、将来人口推計2023が公表されています)
死亡:中位推計では、つぎのように予測されています。
高齢者(65歳以上)人口は、2042年まで増加をつづける見通しでした。
例外は2031年ですが、これは、1966年生れの方が、新たに65歳以上の高齢者になる年だからです。
丙午の年ですね。65歳以上の高齢者の人口は、この年に16万人減少すると予測されてます。
2021年は、19万4000人増加の予測だったものが、18万8000人増加。6000人ぶん少なかった。
2022年は、9万3000人増加の予測だったものが、2万2000人増加。予測より7万1000人少ない。
これが、新型コロナウイルス感染症の、2022年の蔓延によって、死者がふえたからであることは、明らかなことです。
新型コロナウイルス感染症の蔓延は、新型コロナによる死者ばかりではなく、それが引き金になった循環器系疾患による死者などをも、ふやしてきました。
そのことは、国立感染症研究所による超過死亡の報告に、レポートされています。
人口統計は、国勢調査が行なわれる10月1日時点の人口で、各年をくらべます。
高齢者人口の増加ペースが、2022年の統計で大きく減じたため、新型コロナウイルス感染症の今後の動向によっては、今後、65歳以上高齢者の人口減を、2043年よりも約20年も前に、まねきかねない。そんなふうに思われます。
そう思いながら、毎月の人口推計の統計をみてみると、2022年12月末時点で、すでに、対前年比で、65歳以上の日本人人口が、減少したとみられることがわかりました。
外国人をふくむ人口でも、対前年比で減少した可能性もあります。
そして、その傾向は、直近の3月1日時点の人口推計(概算値)でも、同じでした。
以下に、統計数値をしめしましょう。
⇒ここまで書いて、このあとの、概算値の人口集計を紹介しようと思っていたところ、
予想を上回り、2022年11月1日時点で、日本人の人口推計(確定値)で、高齢者人口は、前年同月比でマイナスになりました。
稿をあらためて、そのことをご報告しましょう。
あ、日本人の高齢者人口(65歳以上)が、2022年10月1日時点で、対前年比でふえた増加幅は、1万4000人でした。
2021年10月1日時点では、対前年比17万9000人増加でしたから、増加幅はおおきく縮小しています。
このことを、書きわすれていました。
それが、翌月の11月1日時点では、どうなったのか。
⇒一昨日(4月26日)に、2020年の国勢調査をもとにした、あたらしい将来人口推計が出てます。
これは、コロナの影響は除外したものだと報じられています。
これを読んで、もし、このレポートに修正が必要なところがあれば、後日、それを反映いたします。